むし歯治療
痛みを抑えた工夫と大切な歯を残すための低侵襲治療
「歯医者の治療は、どうしてもあの痛みが苦手で行くのをためらってしまう」
「虫歯を治療する際、歯を大きく削られたり、すぐに抜かれたりしないか不安」
「自分の虫歯が今どのような状態にあって、どのような治療が必要なのか詳しく知りたい」
虫歯治療に対して「痛い」「削られる」「何をされているか分からない」というマイナスイメージをお持ちの方は少なくありません。
その結果、受診を先延ばしにしてしまい、本来であれば小さな処置で済んだはずの歯を大きく損なってしまうケースが多々見られます。
亀有駅から徒歩7分の西川クリニック歯科室では、このような患者様の不安を解消するため、「痛みを抑えるための段階的な配慮」と、「天然の歯を極力削らずに残すための精密なアプローチ」を重視した治療を行っています。
治療時の痛みを感じさせないための3つのアプローチ
歯科治療に対する最大のハードルである「痛み」を取り除くため、当院では麻酔の段階から痛みを抑えるための細やかな工夫を行っています。
表面麻酔:針を刺す瞬間の痛みをなくす
多くの方が苦手とする「麻酔の針が刺さる瞬間のチクッとする痛み」を抑えるため、当院では必ず事前に表面麻酔を行います。
麻酔注射を行う前に、ゼリー状またはシール状の麻酔薬を歯茎の表面に塗布します。
これにより、歯茎の感覚が一時的に麻痺するため、針が刺さる瞬間の痛みをほとんど感じずに注射へ移行できます。
極細針(33G)の使用:刺入時の刺激を抑える
注射針は、太ければ太いほどチクッとした痛みが強く、細ければ細いほど皮膚や粘膜の抵抗が少なくなるため痛みが和らぎます。
当院では、歯科業界で流通している中でも特に細い部類に入る「33G(ゲージ)」と呼ばれる超極細の注射針を採用しています。
一般的な医療用注射針と比較して非常に細いため、注射時の痛みを抑えることができます。
麻酔液を人肌に温める:体内との温度差による痛みを排除する
麻酔液を注射する際、もう一つの痛みの原因となるのが「麻酔液と体内の温度差」です。
冷たい液が体内に入ると、神経が刺激されて鋭い痛みや違和感を引き起こします。
当院では、最も刺激を感じにくいとされる「人肌程度の温度(約37℃)」に温めてから注入します。
注入時の温度差をなくすことで、薬液が体内に浸入する際の不快感や痛みを抑制できます。
大切な天然歯を守る「削る部分を抑える」ための取り組み
歯は、一度削ってしまったり抜いてしまったりすると、二度と元の健康な状態に戻ることはありません。
どれほど優れた詰め物や被せ物を装着しても、ご自身の天然の歯に勝るものはないため、当院では「可能な限り削る範囲を最小限に留める(ミニマルインターベンション)」ための治療法を実践しています。
コンポジットレジン(CR)治療(保険適用)
虫歯を削った部分に直接歯科用プラスチックを詰めて固める、金属を使用しない白い治療です。
インレー(型採りをする詰め物)に比べて余計な健康歯質を削る必要がなく、削る量を抑えてその日のうちに治療が完了します。
う蝕検知液の使用
虫歯に感染して軟化した部分だけを赤や青に染め出す薬剤です。
歯科医師の経験だけに頼らず、染まった「悪い部分だけ」をピンポイントで除去することで、健康な歯を削りすぎるリスクを回避します。
ダイアグノデントによる数値測定
レーザー光によって虫歯の進行度を測定する機器です。
目視だけでは判別が難しい初期虫歯に対し、本当に今削るべきか、削らずに経過観察すべきかを数値に基づいて客観的に判断します。
MTAセメント(歯髄保存治療)
深い虫歯で神経が露出してしまった際、殺菌作用と生体親和性に優れた特殊なセメントで覆うことで、従来なら抜かなければならなかった「大切な神経」を保護して残す治療法です。
歯冠長延長術(クラウンレングスニング)
虫歯が歯茎の奥深くまで進行している場合に、歯茎の位置を少し下げる外科的処置を行うことで、健康な歯の根元を表に露出させ、抜歯を回避して被せ物を可能にするアプローチです。
矯正的挺出(エキストルージョン)
あごの骨の中に埋もれてしまっている歯の根を、矯正用の力を用いて上方向へ引っ張り出すことで、通常なら抜歯となる歯を残して被せ物ができるようにする治療です。
詳しくは、別途「歯を守り、残す治療」で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
不安を解消するための「カウンセリング体制」
当院では、「いきなり治療を始めること」はいたしません。
患者様がどのような治療を受けるのかを理解し、納得していない状態では、質の高い歯科治療は行えないと考えています。
お口の現状をビジュアルで説明するカウンセリング
治療を開始する前に、レントゲン写真や口腔内カメラで撮影したご自身のお口の画像をモニターに表示し、現在の状態をわかりやすく説明します。
現状の共有
「どこの歯が、どれくらい深く虫歯になっているか」をご自身の目で確認していただきます。
複数の選択肢の提示
治療方法が複数ある場合(保険適用の素材、自費診療のセラミックなど)は、それぞれの治療期間、費用、耐久性、メリットとデメリットを公正にお伝えします。
意思決定の尊重
歯科医師が治療を強制することはなく、患者様ご自身のライフスタイルやご希望に合わせて最適な治療計画を選択していただけるようサポートします。質問しやすい環境を常に心がけています。
虫歯の進行段階(C0〜C4)と具体的な治療法
【C0】要観察歯(ごく初期の虫歯)
歯の表面のエナメル質が酸によって少し溶け始め、白く濁って見える状態です。
まだ穴は空いておらず、痛みなどの自覚症状はありません。
治療方法
この段階では歯を削る必要はありません。
適切なブラッシング指導(フッ素入り歯磨き粉の使用推奨)と、歯科医院での高濃度フッ素塗布により、歯の「再石灰化」を促して元の健康な状態へと修復を図ります。
【C1】エナメル質の虫歯
歯の最も外側にある硬い組織「エナメル質」に小さな穴が空いた状態です。
エナメル質には神経が通っていないため、冷たいものがしみるなどの自覚症状はほとんど現れません。
治療方法
虫歯になっている小さな範囲だけを削り、その場で歯科用プラスチック(レジン)を詰めて光で固めます。
1回〜数回の通院で治療が完了し、目立たず綺麗に仕上がります。
【C2】象牙質(ぞうげしつ)の虫歯
エナメル質の下にある、少し柔らかい「象牙質」にまで虫歯が進んだ状態です。
冷たいものや甘いものがしみるようになり、食べ物を噛んだときに痛みを感じることがあります。
治療方法
虫歯を丁寧に取り除き、穴の大きさに応じてコンポジットレジンを詰めるか、型採りをして「インレー(詰め物)」を作製して装着します。
象牙質は進行が早いため、早急な処置が必要です。
【C3】神経(歯髄)まで達した虫歯
虫歯が歯の神経(歯髄)まで到達してしまい、炎症(歯髄炎)を起こしている状態です。何もしていなくてもズキズキと激しく痛む(自発痛)ようになり、温かいものがしみたり、夜眠れないほどの痛みを感じたりします。
治療方法
根管治療(こんかんちりょう)
痛みを抑えるため、神経を取り除いてお口の細菌をきれいに除去・洗浄し、細い管(根管)の中を殺菌された薬で塞ぐ治療を行います。
MTAセメントによる神経保存
状態によっては、前述の「MTAセメント」を用いて、神経を残すことができる可能性もあります。治療後は歯を保護するために「クラウン(被せ物)」を被せます。
【C4】歯の大部分が失われた重度の虫歯(残根状態)
歯の頭(歯冠部)が虫歯によって完全に崩壊し、根っこ(歯根)だけが残っている状態です。
神経が死んでしまっているため一時的に痛みは引きますが、根の先に膿が溜まり(根尖病巣)、再び激しい痛みや歯茎の腫れを引き起こします。
治療方法
根管治療+被せ物(歯冠長延長術など)
根っこの状態が良ければ、精密な根管治療を行い、歯冠長延長術やエキストルージョンなどを組み合わせて土台を作り、被せ物を装着して歯を再建します。
抜歯と欠損補綴
根の奥深くまで完全に破壊されて残すことが困難な場合は、抜歯を選択せざるを得ません。
抜歯後は、ブリッジ、部分入れ歯、またはインプラント治療によって、噛む機能を補います。

