根管治療
抜歯を回避し、大切な歯を長く残すための精密治療
「虫歯がひどくなり、歯を抜かなければならないと言われて悩んでいる」
「歯の神経を抜く治療を何度も繰り返しているけれど、なかなか痛みが治まらない」
「根管治療(こんかんちりょう)とは、具体的にどのようなことをする治療なのか知りたい」
重度にまで進行してしまった虫歯に対して、安易に「抜歯」という選択をするのではなく、歯の基礎となる根っこ(根管)を治療し、再び噛めるように再建する治療が「根管治療(歯の根の治療)」です。
亀有駅から徒歩7分の西川クリニック歯科室では、このような患者様の大切な天然歯を守るため、「再発のリスクを抑えるための精密な器具・薬剤の選定」と、「難症例への専門アプローチ」を重視した根管治療を行っています。
なぜ根管治療が重要なのか?
歯は表面に見えている部分(歯冠部)だけでなく、あごの骨の中に隠れている根(歯根)によって支えられています。
この根の中には、「根管(こんかん)」と呼ばれる非常に細い管が通っており、その中を神経(歯髄)や血管が走っています。
神経にまで達した細菌を根絶する「最後の砦」
虫歯が進行して神経にまで細菌が到達すると、ズキズキとした激しい痛みが生じます。
この状態をそのまま放置したり、神経を取り残したりすると、細菌はさらに根の奥へと進み、あごの骨の中に「根尖病巣(こんせんびょうそう)」という膿の袋を作ってしまいます。
根管治療は、以下の目的で行われる「天然の歯を残すための最後の砦」となる治療です。
細菌の侵入・増殖を防ぐ
根管内の感染した神経や血管、細菌の塊を取り除く。
再感染を防ぐ
根管内を薬液で洗浄・殺菌し、隙間なくお薬を充填して密閉する。
この基礎工事にあたる治療が不十分であると、どれほど高価で美しい被せ物を上に施しても、後に根の先端で再発してしまい、被せ物を外して再治療が必要になる、あるいは抜歯に至るといった事態を招きます。
当院では、この根管治療の精度こそが、歯の寿命を左右する極めて重要なプロセスであると位置づけています。
西川クリニック歯科室の精密根管治療を支える5つの取り組み
根管の中は非常に複雑に入り組んでおり、太さは1ミリメートル以下と針の穴のように細く、かつ暗く直接見ることが困難な領域です。
当院では、再発のリスクを抑え、治療の適合性を高めるために、以下の5つの専門的な器具や手法を取り入れています。
ラバーダム(症例に応じて使用):細菌を含んだ唾液の侵入を防ぐ
根管治療が失敗し、何度も再発を繰り返してしまう最大の原因は「治療中に根管内へ唾液(細菌)が侵入すること」です。
唾液1滴の中には、数億から数十億匹の細菌が存在していると言われています。
ラバーダムとは、治療する歯だけを露出させ、お口全体をゴム製のシートで覆う器具です。
当院では、症例やお口の状態に応じて、適切と判断される場合に使用いたします。
無菌的な治療環境の確保
唾液の侵入を物理的にブロックし、根管内に新たな細菌が入るのを防ぎます。
薬剤の誤飲防止
治療に使用する高濃度の洗浄液や細かい器具が、患者様の喉の奥へ落下することを防ぎ、安全に治療を進めることができます。
治療精度の向上
舌や頬の粘膜を避けることができるため、歯科医師の手元がクリアになり、迅速かつ確実な処置を行えます。
MTAセメント(一部保険適用対応):高い殺菌性と封鎖力で根の先を塞ぐ
根管の中を綺麗に清掃した後は、再び細菌が侵入しないように管をぴったりと塞ぐ(根管充填)必要があります。
MTA(Mineral Trioxide Aggregate)セメントは、生体親和性が極めて高く、優れた殺菌性と封鎖性を持つセメントです。
強固な封鎖性
水分があっても硬化する性質(親水性)があるため、湿潤状態にある根管の先端であっても隙間なく密閉できます。
これにより、治療後の隙間から起こる再感染リスクを抑えられます。
生体組織の再生を促進
あごの骨やセメント質(歯の根の表面)の再生を促す効果があり、根の先に溜まった膿の袋の治癒を助けます。
保険適用への対応
当院では、国の基準や適応条件に準じ、保険適用の範囲内でMTAセメントを用いた処置を行っております(適応範囲については診断時にご説明いたします)。
ニッケルチタンファイル:複雑に湾曲した根に追従する
根管内にある細い感染物質を物理的に削り取る器具を「ファイル」と呼びます。
従来のステンレス製のファイルは硬くしなりにくいため、曲がりくねった複雑な根管を治療する際に、本来の根管の形を壊してしまったり、削り残しができたりするリスクがありました。
優れた柔軟性
当院が導入している「ニッケルチタンファイル」は、非常に高い弾性と柔軟性を持っています。
曲がった根にもフィット
根管が曲がっていても、そのカーブに沿って滑らかにしなるため、本来の根の形を保ったまま、奥に潜む虫歯菌や感染組織だけを安全に除去することができます。
超音波洗浄:細部の汚れや細菌まで浮き上がらせて除去する
ファイルの物理的な清飽だけでは、網の目のように枝分かれした微細な根管のすべての汚れを取り除くことは不可能です。
特殊な根管洗浄液を注ぎ、超音波の微細な振動を与える装置(超音波スケーラーや専用チップ)を使用します。
微細な薬液循環
超音波の振動エネルギーにより、薬液が根管の隅々にまで行き渡ります。
薬液による殺菌・溶解作用
ファイルの刃が届かない微細な側枝(根管の枝分かれ部分)に詰まった汚れや削りカスを浮き上がらせ、細菌を化学的に融解・洗浄します。
ファイバーコア:歯の破折(割れ)を防ぎ、基礎を強固にする
根管治療を終えた歯は、中身がくり抜かれているため枯れ木のように非常にもろくなっています。
その歯を補強するための土台(支台築造)を「コア」と呼びます。
従来は金属製の土台(メタルコア)が広く用いられていましたが、金属は歯よりも遥かに硬いため、噛む力がかかったときにクサビのように働き、歯の根っこを縦に割ってしまう「歯根破折」の原因になっていました。
適度なしなやかさ
当院では、グラスファイバー製の繊維を束ねたポスト(心棒)とプラスチックを組み合わせた「ファイバーコア」を採用しています。
歯の強度に近い性質
ファイバーコアは天然の歯(象牙質)に近い硬さとしなりを持っているため、噛み合わせの負担を均等に分散し、歯が破折するのを防ぎます。
金属アレルギーの防止と審美性
金属不使用(メタルフリー)のため歯茎が黒ずむ心配がなく、上に被せるセラミックなどの被せ物の美しさを最大限に引き出すことができます。
他院で「抜歯」と言われた場合も諦めない:難症例への2つの外科的アプローチ
通常の根管治療は「歯の頭の方向から器具を入れて中をきれいにする」方法ですが、根の曲がり方が激しい場合や、過去の治療による金属の土台が頑強で外せない場合、あるいは膿の袋が大きすぎる場合は、通常のルートからでは治せないことがあります。
当院では、そのような難症例に対しても、歯を抜かずに保存するための「根管外科治療(歯根端切除術・分割抜歯)」を実施しています。
歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)
通常の根管治療(上からのアプローチ)では根の先まで薬液や器具が届かず、膿の袋(根尖病巣)が治らない場合に行う外科治療です。
局所麻酔を施した上で、歯茎を外側から小さく切開します。
その後、あごの骨の表面から、膿が溜まっている「根の先端部分(約3mm)」を膿の袋と一緒に直接取り除き、切除した根の切り口から、MTAセメントを用いて下から逆向きに密閉(逆充填)します。
上からのアプローチが不可能な場合でも、外科的に根の先端の感染源を直接排除するため、歯を抜くことなく残すことが可能になります。
ヘミセクション/トライセクション(分割抜歯)
奥歯のように「根が複数本ある歯」において、特定の1本の根だけが重度に破壊されている(割れている、あるいは重い病巣がある)場合に行う外科治療です。
歯を丸ごと全て抜く(完全抜歯)のではなく、正常に機能している一部の根を残すことで、ブリッジや被せ物の支えとして再利用し、インプラントや入れ歯の適用を避けることができます。
ヘミセクション(下あごの奥歯)
2本ある根のうち、悪くなった方の根1本だけを分割して抜歯し、健康な根1本を残します。
トライセクション(上あごの奥歯)
3本ある根のうち、感染が進んだ1本の根だけを取り除き、残りの健康な2本の根を残します。
まとめ:1本の歯を諦めず、土台から健康な口腔環境へ
歯の根管治療は、建物で例えるなら「基礎工事」にあたります。
どれほど美しく高価な外観(被せ物)を乗せても、その下の地盤や基礎が不安定であれば、建物はいずれ倒壊してしまいます。
西川クリニック歯科室では、患者様が少しでも痛みを伴わず、そしてご自身の天然歯を失わずに済むよう、ニッケルチタンファイルや超音波洗浄による精密な除菌、ラバーダムやMTAセメントによる無菌化アプローチを施しています。
「歯を抜かなければならないと言われた」
「根の痛みがなかなか引かない」
とお悩みの方は、諦めて抜歯を選択してしまう前に、ぜひ一度、亀有駅徒歩7分の当院までご相談ください。
精密な診断をもとに、歯を残すための道筋を一緒に考えていきましょう。

